アン・ルイスのプカバカ

07.06.2009

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取り立ててサービス精神旺盛と言うわけではないけれど、年下の友達を思いのほか喜ばせる話題のひとつに「バブル話」とゆーのがあります。

特にイマドキの?アラサー世代にとってのバブルとは、コドモの頃にTVで観たボディコンミニ+ワンレン女子が、扇子を振り振り乱舞する心奪われるような狂気の沙汰(苦笑)で、予定ではあの乱痴気騒ぎの仲間入りをするはずだったのに、バブルの崩壊によってあとちょっととゆーところで、あっさりとキャンセルされてしまった恨みすら覚える切なくも儚い存在なのだろうとアタクシ勝手に妄想しております(違いますか?)。

お察しの通り、アタクシはバブル体験者。猫も杓子も自然派志向、スローライフに転向し始めちゃったミレニアム以降は、あのギラついた80年代に青春を送ったことを恥ずかしく感じたこともありましたが、またこうしてエイティーズ!が若者達の間でモテハヤされ、リスペクトされてるとなっちゃあ、ちょっと話は違います。日本国中が、そして血気盛んだった旧若者達(自分らのことだが)が、目には見えない神輿を担がされ、コレもんで夜な夜な祭りに興じてたあの時代。今となっては、あんなのはもう無いだろうナ...と思うがゆえに、ノスタルジックな愛おしさまで感じるほどになりました(トレンドの仕掛人さま、ありがとー)。

そのハジケ散るシャンパンの泡のような・・・ゴージャスで甘美な時代を彩っていた立役者の一人が、今回ご紹介するガーリンさんのアン・ルイスです。それまでの清純派アイドル路線に別れを告げ「歌謡ロック」というカテゴリーを引っ提げて、当時の歌番組で暴れ回る彼女の姿は、やっと翻訳無しで洋楽を聞くことに慣れ始めた日本国民にとってセンセーショナルな出来事でした。ハーフ女子ならではのド派手なビジュアルに、女だてらにギュィーーーインとのけ反るギタリストと絡むワイルドなパフォーマンス。このヒトを語らずして80年代の日本のミュージックシーンは無いってほど、時代に愛された彼女は現在のJ-POPの先駆者と言っても過言ではありません。

なんせバブルの絶頂期にお立ち台文化を作ったマハラジャで(言っとくけどジュリアナ東京が元祖じゃありませんぜ)毎夜毎夜の締めの一曲、ラストを飾るナンバーがアン・ルイスの「六本木心中だったんだからアータ(知ってるー?)。80’sのクラブシーン(あの頃はディスコだったけどね)って、ロックやユーロビートの一発屋がブイブイ言わせていた時代でしょー?なんて知ったかぶりしてたら笑われちゃいますぜ。あの頃の夜の盛り場カンケーに置きましては、ブイブイの張本人はこの方以外にはいませんでしょうね。いやアン・ルイスの送り出す音が時代と見事にロックしちゃってたという意味で。

実はアタシ、当時のアンさんと間接的に繋がっていたことがございます。バブル崩壊後の数年間、とある芸能絡みのエージェントでお仕事修行をさせてもらっていたことがあるのですが、事務所のオーナーがアンさんと個人的に仲良しで、また中で働くアーティストがアンさんとたびたびお仕事させて頂くというような環境で、その一見豪快に見える表の姿からは想像もつかないほど、彼女が繊細で人一倍相手を気遣う優しさを備えている女性なのだということを聞きかじっておりました。

たった一度だけペーペーのアタシが、アンさんからの電話を受けたことがあります。単なる取り次ぎの電話だったんですが、受話器の向こうから流れてくるどこか懐かしいようなユーモラスな口調は、TVで見かける彼女のイメージそのままのハッピームードその優しいアルトの響きは、芸能界カンケーという一風変わった人間模様に疲れていた小娘を一瞬にして癒してしまうほどの大きなラヴに満ちていて、ミーハー心を刺激されたのもあってか、いつもはギアがローに入っているくせに、その日は一日中ウキウキ働いちゃったもんでした。

自然の法則に習えば、日向には必ず影があり、だから明るさを前向きに出している人ほど、必ずどこかで深く傷ついている。

アタシは昔から他人の悲しみを受け取ってしまうという悪い癖があるんですが、しばらくして体調を崩したアンさんが一時的に休業をし、カリフォルニアで暮らすことを決めたらしいとチラッと耳にした時、彼女の身に何があったのか全くわからないながらも、あの時の電話のやり取りを思い出して、なぜだか胸が詰まったことを覚えています。

そして時代の流れはどんどんナチュラリスト方面へ(笑)。自分のライフスタイルも変わり、お世話になったエージェントのことも、マハラジャのこともすっかり忘れて(笑)暮らしていた数週間前のある日、付けっぱなしにしていたTVから流れて来たのは「六本木心中」のメロディーと、見覚えのある派手な衣装に身を包んだアン・ルイス!ちょっとぉ〜懐かし過ぎるー!と、過去のVTRにグワーンと気持ちを持っていかれちゃったその直後に映し出された現在の彼女の姿を見て驚きました。変わってないっ!あのフレンドリーな口調もハッピーな笑顔もそのままに、「パニック障害」を患っていたこと、人間らしい自由が欲しくてLAに引っ越したこと、そして今こうしてまた活動出来ることに感謝していると語る彼女を見ていたら、なんだか感動がフツフツと押し寄せて来て、しばらくその余韻に浸っている自分がいました。

休業中の彼女は持ち前のポップなセンスを活かし、純粋なおバカさんという意味の「PUKKA BAKKA」というファッションブランドをLA拠点で立ち上げ、デザイナーとして活動されていたんだそうです。そこで当店バイヤーが注目したのは、ファッショニスタ大好物のスカルアイテムのラインナップ。特にユニークなアイデアが散りばめられたこのヘッドフォンを付けたスカルのネックレスは、音楽とファッションを茶目っ気たっぷりに融合させたまさにアンさんならではのデザインで、そのオリジナリティーの溢れっぷりには、音楽好きなアナタも目を見張ること間違い無しのロックな逸品。

彼女が人間らしさを取り戻すまで過ごした時間。充実した時間の中でクリエイトした人生観。そして葛藤を乗り越えた彼女が今また微笑んでいる。

My name is woman 悲しみを身籠って優しさに育てるの
My name is woman 女なら耐えられる痛みなんでしょう        
                        WOMAN by アン・ルイス

正しいガーリン道をまっとうしたいガーリン熟女予備軍にとって、こうして頼もしい先輩がまたワタシ達の元へ帰って来てくれたのは愛すべき出来事。時代が移り変わろうとオンナがオンナであることヤッホー!」ってのだけは、なーんら変わることは無いんだよねー。なぞと、まだまだ弱輩もののアタシまで、うっかり昔話に口を滑らせてしまうブギウギな事件であるわけなのです。



Illustration by Yuki Kitazumi

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ヘッドフォン付ドクロネックレス 

PUKKA BAKKA 

¥36,570(税込み) 

Available at

ヒッピースピリッツに溢れまくっている(笑)アンさんらしく、ひとつひとつにスピリチュアルなネーミングがされています。これは名付けて「Master Soul 巨匠な魂」。

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