愛しあってるかいー。

05.09.2009

kiyoshiro450-250.jpg

もしも 忌野清志郎という人がいなかったら、自分の人生はどれだけつまらなかったんだろう。

ローリングストーンズやジョン・レノンの偉大さ、オーティス・レディング、サム&デイブが歌う本物ソウル、ジョニー・サンダースのパンクスピリッツ、マーク・ボランのグラマラスな魅力....坂口安吾や稲垣足穂といった日本のトンがった文豪たち、ゴッホの絵画、、、全部ぜんぶ 清志郎から教えてもらった。 RCサクセションのジャケットデザインを通じて、日本を代表するアートディレクター井上嗣也氏の事を知り、ぐらふぃっくでざいんーなんて言葉も覚えた。そして同じく清志郎を愛する多くの友人たち。

いま自分が大切にしているモノ、コト、そしてヒト。もしも清志郎がいなかったら....私の身近な全てが、全く違うものになっていたのかもしれない。音楽にまつわる仕事もしていなかったかもしれないし、親友たちにも出会ってないかもしれない。つまりはここで記事を書いたりしてないかもしれない....!  今回は、清志郎から教えてもらったステキなモノたちを、感謝と愛を込めてご紹介させていただこうと思います。

まずは、オーティス・レディングのCD。恐らく生まれて初めてちゃんと聴いたソウルミュージック。「GATTA GATTA」「愛しあってるかい」の元ネタとして、ファンの間で知らない人はいないのでは。初めて聞いたのが中学生とかで、当時は清志郎が好きだから、好きにならなきゃ!みたいな感覚でした。オーティスの本当の良さがわかったのはもう少し大人になってから。でも思春期に本物のソウルを聞いたおかげで、偽者のソウルを好きにならずに済んだのかも。

次は清志郎の愛読書として有名なアラン・シリトーの「長距離ランナーの孤独」。偽善的な権力者に対抗するアナーキックな若者の話、、として知られる作品ですが、このアナーキックな姿勢はまさに清志郎に通じるもの。有名な放送禁止をめぐるFM東京事件、発売中止に追い込まれた「パンク君が代」事件」などなど、アナーキックを地でいく貴重なオトナでした。「父親になってから丸くなった~」なんて声もありましたが、いやいや、父親になってもしっかりアナーキックです。2003年のアースデイコンサートでも「あこがれの北朝鮮」を歌って中継が中断されたり(これもFM東京)。私は、この本を皮切りにチャールズ・ディケンズやオスカー・ワイルドなんかの英国系小説にハマッてました。

清志郎と直接関係ないのですが、コムデギャルソンが1988年から1991年にかけて1~8号までを発行した雑誌『Six(Sixth Sense)』。これはですねぇ、前述した井上嗣也氏がアートディレクションを担当されてまして。当時の私は、RCのジャケットデザインをする嗣也さん=格好イイ、その嗣也さんがディレクションするコムデギャルソン=格好イイ。。。なんて、ありえない思考回路で行動していたので、そんなこんなで手に入れたような気がします。おかげでこんなステキな本を手にすることができました。当時のことはあまり覚えてませんが、この雑誌の本当の素晴らしさに気づくのは、もっともっと後のことです ^^;

国立市と多摩蘭坂、サイケなファッション、ダブルミーニング、お月さま、ウクレレ、立派な大人にならなくてもいいってこと。

他にも数えきれないほどのステキなモノを教えてくれた清志郎ですが、一番の贈り物はやはり「愛しあってるかい」という言葉。

長い間鳴かず飛ばずだったRCサクセションが生まれ変わったきっかけは、のちの夫人、石井さんとの出会い。「彼女を幸せにしたい」そんな思いで歌い始めた清志郎の歌は、気がつけば大勢の人の心に届くものへ。まるでマトリックスのネオのごとく!奥さんへの愛がファンへの愛、地球への愛へとつながっていったのでした。

自転車はじめたきっかけも「家族を守るための体力づくり」だったらしいですし。

恋人と、家族と、友達と、仕事仲間と、隣人と、「愛しあってるかい?」って。とてもシンプルだけど力強い言葉を、私たちはいつも受け取ってました。同じ音楽聴いたり、同じ本を読んだり、一生懸命マネしても、愛がなくっちゃ、何も変わらないんだなぁって。

実は訃報を聞いてしばらく、昔の映像を見てはどっぷりと哀しみに浸ってたのですが、いまはとにかく感謝の気持ちでいっぱい。 

清志郎さん。 あなたのおかげで、人生なかなか面白いモノになってます。

ありがとう。 本当に本当に大好きでした。

  

*HMVのサイトに掲載された追悼文がとても素敵だったのでよかったらコチラをご覧ください。

  • mono1
  • mono2
  • mono3

オーティス・レディング/ ヨーロッパのオーティス... 

アトランティック  

タワーレコードで¥1,800(税込)  

Available at

オーティス ヨーロッパ・ツアーのライブ盤。ファンの間で最高傑作と呼ばれる1枚。

Sign up for newsletters