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瞬きもせず
05.18.2009
しばらくぶりに紡木たくの「瞬きもせず」を読みました。えー、世代によってはまったく知らない方も、よーく知ってる方もいらっしゃるかと思います。80年代後期の名作マンガで、別マに連載されていたものでした。で、この紡木たくという人がどういう人かというと、代表作の「ホットロード」はなんと全国700万部(公称)も売り上げ、同世代のマンガ家にもすごい影響力をあたえ、少女マンガの新しい時代をつくったマンガ家なのでした。
紡木たくは、どうやら当時男の子にもひそやかに絶大な人気があったようで、というのは最近知ったんけど、中高の男子諸君が学生カバンに入れて読むっつーのがなんかカッコイイっていうか、アリだったそうです。こないだ写真家の佐内正史さんと話してたら、「実の妹に、お兄ちゃん、女のヒトの気持ちを知るならこれ読んだほうがいいよ!と言われて一生懸命読んだ」と言ってました。へー。ということで、まあ、そのほかにもいろいろ事情があって、80sの漫画を読み返してます。こないだ渋谷のBook Off(クアトロパルコ跡ですぜ!)に行ったら、ちょうど全巻そろってたのだ。
で、このマンガの主旨は何かというと↓
いつもこの場所で彼を見つめていた。
それがすべてなのです。いや、それが十分「過ぎる」ほどなのです。それでもってタイトルが「瞬きもせず」ですぜ!!!イイ!これだけで既にキラキラしてる!!!
5月。山口。太陽が輝き、水辺に、山々の緑に、光があたり、屈折して、輝きがあふれる。そんな中に、主人公のかよと「彼」である紺野くんの恋と青春(うきゃー)の物語はゆっくり紡がれていきます。
この漫画では、とりたてて「ホットロード」のような事件やドラマチックな出来事は起こらず、家族とか、友人とか、初恋の彼とか、そんな光(正に光景)が淡々と重ねられています。漫画、というか、なんか向田邦子の文学に近いような。
三浦雅士さんいわく、日本の文学はすべて「青春」を描いたものだったそうです。その正統な継承者が、この「瞬きもせず」を描いた紡木たくのような気がします。
「青春」って言葉にするとなんかエラいはずかしーですが、いつかどこか通った道。大人になっても、フっと「ここ昔通ったことあるかも?」みたいにいきなり昔の自分に出会っちゃったりするようなそんな場所がこころの中にちょっとだけ残されていたりして。そこは、自由に行き来することはできなくて、めったに戻ることができない故郷みたいなモノ。
この漫画を初めて読んだとき、私はまだホンの子どもで、背伸びして隣の従姉妹のお姉さんが買って夢中に読んでいた別マを毎月借りていました。初恋も知らなかったし、家族とか大人のいろんな思いとか、男の人の気持ちとか、知るすべもありませんでした。実はその時はこの漫画がすごーくつまらなく。いろんなことがゆっくり過ぎるし、繊細さの加減にイライラしたような。
でも、「瞬きをせず」を通して戻ったその我が家は、小さくて、なんかいい匂いがしました。「そんなこともあったよね」だけじゃなくて、本当に言葉にできないような、でも大切な光景がさえざえと描かれている気がします。
実際には主人公のかよやこんのくんと同じような青春を過ごしてなかったんだけど、当時の私が持っていたかもしれない心のありようをスローモーションのように焼き付けたようなイメージと言葉のコンポジションは、知っているような、でも聴いたことのない、美しい音楽にも似て。いまだからこそ、その美しい響きを感じ、あるようでない場所を思うことで「現実」というやつを考えることできるような気がしました。
余談1
舞台は山口県。で、全編彼らは山口弁で会話してます。
いやー、それがカワイらしいのなんの。が、内容的には、意外と彼らは考え方や芯がしっかりしてて。今の自分が読んでもいまだに学ぶことがいっぱいだったような・・・。
余談2
もしソフィア・コッポラが日本語が読めたら、紡木たくに嫉妬するのでは?あるいはリスペクトを受けて「ヴァージン・スーサイズ」の前に、「瞬きもせず」が映画化されていたかもしれません(笑)
余談3
紡木たくの漫画には、ホントーに「キラキラ」した光の描写が多い。
ので、マンガを読んでいると文字通りまぶしくなってきちゃいますので要注意 ^^;
紡木たくは、どうやら当時男の子にもひそやかに絶大な人気があったようで、というのは最近知ったんけど、中高の男子諸君が学生カバンに入れて読むっつーのがなんかカッコイイっていうか、アリだったそうです。こないだ写真家の佐内正史さんと話してたら、「実の妹に、お兄ちゃん、女のヒトの気持ちを知るならこれ読んだほうがいいよ!と言われて一生懸命読んだ」と言ってました。へー。ということで、まあ、そのほかにもいろいろ事情があって、80sの漫画を読み返してます。こないだ渋谷のBook Off(クアトロパルコ跡ですぜ!)に行ったら、ちょうど全巻そろってたのだ。
で、このマンガの主旨は何かというと↓
いつもこの場所で彼を見つめていた。
それがすべてなのです。いや、それが十分「過ぎる」ほどなのです。それでもってタイトルが「瞬きもせず」ですぜ!!!イイ!これだけで既にキラキラしてる!!!
5月。山口。太陽が輝き、水辺に、山々の緑に、光があたり、屈折して、輝きがあふれる。そんな中に、主人公のかよと「彼」である紺野くんの恋と青春(うきゃー)の物語はゆっくり紡がれていきます。
この漫画では、とりたてて「ホットロード」のような事件やドラマチックな出来事は起こらず、家族とか、友人とか、初恋の彼とか、そんな光(正に光景)が淡々と重ねられています。漫画、というか、なんか向田邦子の文学に近いような。
三浦雅士さんいわく、日本の文学はすべて「青春」を描いたものだったそうです。その正統な継承者が、この「瞬きもせず」を描いた紡木たくのような気がします。
「青春」って言葉にするとなんかエラいはずかしーですが、いつかどこか通った道。大人になっても、フっと「ここ昔通ったことあるかも?」みたいにいきなり昔の自分に出会っちゃったりするようなそんな場所がこころの中にちょっとだけ残されていたりして。そこは、自由に行き来することはできなくて、めったに戻ることができない故郷みたいなモノ。
この漫画を初めて読んだとき、私はまだホンの子どもで、背伸びして隣の従姉妹のお姉さんが買って夢中に読んでいた別マを毎月借りていました。初恋も知らなかったし、家族とか大人のいろんな思いとか、男の人の気持ちとか、知るすべもありませんでした。実はその時はこの漫画がすごーくつまらなく。いろんなことがゆっくり過ぎるし、繊細さの加減にイライラしたような。
でも、「瞬きをせず」を通して戻ったその我が家は、小さくて、なんかいい匂いがしました。「そんなこともあったよね」だけじゃなくて、本当に言葉にできないような、でも大切な光景がさえざえと描かれている気がします。
実際には主人公のかよやこんのくんと同じような青春を過ごしてなかったんだけど、当時の私が持っていたかもしれない心のありようをスローモーションのように焼き付けたようなイメージと言葉のコンポジションは、知っているような、でも聴いたことのない、美しい音楽にも似て。いまだからこそ、その美しい響きを感じ、あるようでない場所を思うことで「現実」というやつを考えることできるような気がしました。
余談1
舞台は山口県。で、全編彼らは山口弁で会話してます。
いやー、それがカワイらしいのなんの。が、内容的には、意外と彼らは考え方や芯がしっかりしてて。今の自分が読んでもいまだに学ぶことがいっぱいだったような・・・。
余談2
もしソフィア・コッポラが日本語が読めたら、紡木たくに嫉妬するのでは?あるいはリスペクトを受けて「ヴァージン・スーサイズ」の前に、「瞬きもせず」が映画化されていたかもしれません(笑)
余談3
紡木たくの漫画には、ホントーに「キラキラ」した光の描写が多い。
ので、マンガを読んでいると文字通りまぶしくなってきちゃいますので要注意 ^^;
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カラー巻頭の美しさも絶品なんで、いつか豪華版が出てくれることを望みます(笑)
