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イザベラのチリペッパー
03.23.2009
聡明なオンナは料理がうまいと言ったのは、かの桐島洋子センセイですが、もしもアタシが男だったら、お嫁さんにはやっぱり料理上手なオナゴを選びたい。ま、己の怠惰を棚にあげた勝手な言い分なのはわかっちゃいるが、すべてのマイナス思考は空腹にあり。何事につけ、腹が減っては戦は出来んのです。
今回のガーリンさんは、ブラジルは北東部に位置するバイーアより参戦してくださった料理の鉄人イザベラ・オリヴェイラ。肌は塩味、髪はココナッツの香り、キスした唇はチリペッパーのように燃えていると賞賛されるオイシソーな彼女は、2000年に公開されるやいなや、一気にその名を世に知らしめることになったペネロペ・クルスの記念すべきハリウッド初主演作「ウーマン・オン・トップ」のヒロインでございます。
海の女神イマンジャ(あのブランド名の由来か?)の温情で、幼い頃から料理の才能を授けられた根っからの料理人。直訳すると「女性上位」というタイトルどおり、イザベラは何をする時も自分がリード(上)じゃなきゃイヤな体質。上じゃなきゃダメよダメよ♡と言いながら、夫トニーニョ(ムリロ・ベニチオ)が営む地元のレストランではシェフとして毎日を忙殺されつつも、惚れた男にゃトコトン尽くす健気な働き者の妻でありました。そんな女の純情を踏みにじり、トニーニョが浮気をしたからさぁ大変。
実生活での奔放極まりないペネたんを考えると、浮気”させる”じゃ無しに、浮気”される”とは・・・信憑性のひとかけらも感じさせない設定のような気も致しますが、そこはまだ初々しかった頃の仔猫ちゃん仕事。誰も彼女が男を料理することにかけては免許皆伝の腕前なぞとは、ツユとも知らぬ時代の産物でございますから、これがなかなかどうして、グッとくるようなイタイケさでニャンゴロな魅力をスクリーンいっぱいに振りまいているのも見どころです。
舞台になっているのは、イザベラの故郷バイーアと、夫の浮気にブチ切れた彼女が失踪するサンタモニカという二大観光地。どちらも風光明媚なビーチエリアゆえ、否が応でもリゾート気分は盛り上がり、BGMのサンバやボッサの陽気なエッセンスに身を任せているうちに脳内バカンスへトリップできる、妄想旅行がお好きなガーリンちゃんの「心の垢すり映画」としても、最近お疲れ気味のアナタにはおススメです(笑)。サンタモニカのローカル局のお料理キャスターに抜擢されたイザベラが、趣向を凝らした演出で楽しませてくれるシーンが続くのも、なんだかまるで「旅とお料理の紹介番組」を見ているような、これまた素敵なボン・ボヤージ。
お料理を主体にしたストーリーなので、食材やレシピがたくさん登場するんですが、中でもイザベラが思い入れたっぷりに語るマラゲータのシーンは、美味しそうなのが彼女なのか料理なのか、わからなくなってしまうほどのエロ可愛さぶりで学べます(笑)。
マラゲータとはブラジル産のチリペッパー(唐辛子)の種類のひとつで、映画で紹介されているとおり、魚介を使ったバイーアの郷土料理に多く使われています。チリペッパーの歴史は長く、コロンブスが米大陸を発見してからヨーロッパに伝わり、食用として栽培されるようになったのがはじまり。チリの中ではサイズの小さいマラゲータも、その辛味は相当なもので、唐辛子の辛さを表すスコヴィル値は60,000〜100,000。ハラペーニョが2,500〜8,000というのだから、その辛さがドンだけなのか妄想するのも怖いくらい(苦笑)。
ところで奥さん、ピーマン(スコヴィル値0)を含めたペッパー類が、フルーツのカテゴリーだったというのはご存知?チリペッパーの使い途は辛味づけとしてだけでなく、ピリッと刺激をアップさせる、ちょっとした香りづけにも欠かせない存在(香辛料とは良く言った)として愛されているわけですよ。要はグレープフルーツやオレンジに代表されるアロマで気分を変えたい時のセラピー効果も期待出来るというわけ。当のイザベラもトニーニョとの情熱のクッキング・トリップ(爆)の隠し味には「マラゲータを取り入れるのがお好き」なようで、ご自身でも「忘れられないアロマ...」とウットリ語っております(勝手にするがよいぞ)。
情熱大陸スペインからハリウッドに出稼ぎに来て苦節10年のペネたんが、見た目に似合わぬラテン根性ぶりで、先日は見事にオスカー女優の仲間入りを果たし、故郷に錦を飾ってくれたのもパッショネイトなトピックでございました(おめでとー)。本業よりスキャンダル先行で話題をさらって来た実績の持ち主だけあって、今までペネたんのまな板に乗った共演男優リストは、鯉にも劣らぬ高級食材ぞろい(笑)。その彼女のハリウッド第一作がチャーミングなシェフ役だったとは!いやいやダテや酔狂で浮名を流して来たわけではなかったようで。ここに来て仕上がりはまさにトレビア〜ン(オイシイ〜)。
鉄人イザベラのポリシーはいたってシンプル、料理を美味しくする最良のスパイスは、愛する人と食べること。エロチックな欲望は食欲と直結し、美味しいものを共有することは愛を育む。男と女のアレコレに「食べる」行為は切り離せず、だからお腹が満ちれば戦をする気も起きないっていうのが、聡明なオンナの真理なのかもしれません(笑)。ラブの覚醒効果が期待できそうなマラゲータを巧みに取り入れて、仔猫ちゃんよろしくピリ辛な恋愛術でオトコを骨抜きに料理してこそ、ガーリンシェフ一級の資格取得への道。そんな地道な努力に精進できるアナタなら、今後の受け入れ先は引く手あまただと思われます。
せっかくなので劇中で最もインパクトのあった浮気男への恨みを晴らすコワ〜い妄想レシピもご紹介しときしましょう(笑)。
♦材料♦
大きなカニ 4匹
アーティーチョークの芯
熟れたマンゴー 2ケ
夜の雨の滴 12滴
黒い鶏の羽根
ゆでナマズの目玉 2匹分
トニーニョ(忘れたい男)の写真の燃えカス
この材料を揃えてケーキを作り、真夜中の海にてイマンジャに捧げればアナタも忘れたい相手が忘れられる(らしい)。くれぐれもケーキですので祈祷用のローソクを立てとくのもお忘れなく。てか、材料だけで肝心な調理法がわかんねーじゃねーか!って話もありますが(そこが映画です)当店もいい加減な経営方針を信条にしておりますので、理解あるガーリン読者の皆様におかれましては、妄想と思って読み流して頂くか、もしくは自慢のたくましい妄想を頼りに一回くらい挑戦してみてはいかがでしょうか(受け入れ先同様に責任は持ちませんが)。
Illustration by Yuki Kitazumi
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国内での生のマラゲータの入手は難しいようですが、どうしてもマラゲータを入手したい仔猫ちゃんのために捜して参りました!健闘をお祈りいたします。
