NAVIGATORS : taramoon
ジェニファー・ロペスのフレグランス
11.03.2008
ちょうどアメリカ暮らしを始めた頃、ジェニファー・ロペスはヒットチャートにボックスオフィスとエンタメ業界を快進撃中。右も左もわからぬ土地で戸惑うアタシに、元気を与えてくれる身近なアイドルでございました。プロがよってたかって作り上げる、まさに「旬」という形容がピッタリの美しいヴィジュアルは、ファッション界も一目置く魅力に溢れ、セレブウォチングが大好きなアタシはキラキラ輝く彼女にウキウキさせられたものでした。
そんなジェニも今の地位を築き上げるまでは、けっこう下積みが長かった。90年代初期はバックダンサーとして、主にブラックカルチャーの中で過ごし、メジャーストリームではなかったもののラティーナ女優として、そこそこの評価を得てからピンで音楽活動を始め、やっとメディアに登場したのは世紀末の99年。おそらく初めから音楽キャリアを望んでいたんだと思いますが、なかなか芽が出ないので矛先を変えたのでしょう。世に名が知られ始めた時、ジェニはすでに30歳の熟女予備軍。その後の活躍はセレブゴシップが大好物なアナタならご存知のように、あの有名なグリーンのヴェルサーチのドレスを皮切りにまるで次から次へとドレスを脱ぎ捨てるように、華麗な男遍歴をブイブイ渡り歩き、金満を貪っては(言い過ぎ?)ドンドンと女っぷりをアゲていく、その化け物級の変貌ぶりには、ちょっと目を見張るものがありました。
切望していた出産も果たし、USドルの下落と共に英語圏での人気再燃は諦めた(?)のか、三番目の夫君マーク・アンソニーと手を取りあってバック・トゥ・ザ・ルーツ。ラテン圏をターゲットにしたスペイン語のアルバムを発表してみたと思えば、最近ではセレブママのポジションを生かして「サマンサタバサ」の広告塔に登場してアジア圏でも一稼ぎを目論んでいるようでございます。
間違いなく21世紀を代表するオンナの一人である彼女が先駆けとなって作った、今では当たり前になっているセレブ界のトレンドはたくさんあります。03年にハリウッドセレブとしては初めて「ルイ・ヴィトン」のキャンペーンモデルとして登場した時は、モード界もここまでハリウッドセレブにひれ伏したか・・・とミョーに感心してしまったもの。その広告は、今までのジェニのイメージを裏切るシャープな作り込みで、クリエイティブディレクターであるマーク・ジェイコブスが「いかにこのオンナは化けるのが得意か」というのを見抜いていたのがよくわかります。
そして彼女の大きな功績のひとつが「自分のブランドを作る」というトレンド。これは音楽業界の第一線に躍り出るために利用したとも言われる(たぶんそう)元カレのショーン・コムズ(愛称:ディディ)が、先にブランドビジネスに参入していたのもあり、自分の名前を掲げたビジネスが、どれだけ儲かるかというのを肌で知っていたからこそ成功したという経緯もありましょう。ディディが彼女に付けたニックネームをそのまま使った「JLo」ブランドは、モデルデビューと同じ03年の立ち上げから、アッという間に全米のティーンに受け入れられ、本人の人気に押し上げられる形で世界規模へと拡大。更にジェニにラッキーマネーをもたらしたわけです。が、彼女の野望がここで終わるわけがございません(笑)。
見た目の若さが競われるアメリカのショウビズ界で、ただでさえ遅咲きなジェニにはノンビリしている時間が無かった。と妄想するのは意地悪では無いはず。一発屋で終わらぬためには「他人の何十倍もの努力をしなければ残れない」ということを苦労人の彼女は知っていた。だから周囲の不信を煽るほど、自分を甘やかしてくれる男探しにも気合いが入り、あらゆる場所でワガママを言い放ち、己の立場をアゲて行くことにも余念が無かった・・・「旬」と言われるうちが華。この残酷な「ハリウッドの法則」を理解しているほどに、彼女は大人のオンナであったのです。
そしてこれをお読みの皆様なら「ジェニ流モテの法則」を学びたいというのが本音でしょう(ミリオン$レベルのダイヤモンド・リングのブームを作ったのもこの方でした)。もちろん「スウィート・フェイス」と称賛されるメイク映えする顔立ちや、殿方好みの体型が武器になったというのもございましょうが、美人でスタイル抜群、しかも若いオンナなんぞは掃いて捨てるほどいるのがハリウッド。ほんじゃ、なにがここまで男ゴコロを惑わすの?商売上の理由で明かされてはおりませんが、その秘密を今回はアタシが代わりに教えて差し上げましょう。
実を言えば彼女の戦略は匂いなのです。
その昔から媚薬と呼ばれるほど匂いというのはミステリアスなもの。微かに鼻孔をくすぐられただけでも五感すべてを喚起させてしまうほどの威力がある。周囲を見回してもフェロモンという目に見えない怪しい物質に惑わされる男子が少なくないのは皆様もご存知かと存じます。ジェニ自身もディプティーク社のキャンドルを溺愛する「匂いフェチ」というのを考えても、彼女の香りに対するこだわりは明らか。ではモテ度をアゲて行くためには、どんな香りがよろしいの?Hitomiちゃんもこの話題にフォーカスしてくれてるように、臭覚というのは感覚の中でも特に敏感で、人によって好みも大きく別れる非常に難しい分野なのです。なんたって匂いの感性が合わない相手とは長続きしないというデータ結果もあるほどで(妄想百貨店調べ)。
じゃあ百戦錬磨のジェニはどうかと言えば、体型から滲み出る「官能的でセクシー」を基本路線に据え、同性にも不快感を与えにくい「万人好みの良い香り」の持ち主であろうとしているってのがアタシの印象。ベン・アフレックと婚約し、ハイソな金満道を驀進中の時でさえ、敢えて「Jenny From The Block=あくまでジェニはストリート出身よ」と歌っちゃうことで姐御の気安さを醸し出し、遠くから眺めるオトコ達をも自分のテリトリーに誘い込むとゆー(笑)高度なテクニックをお持ちなのです。ここまで言っといて「アンタ、いったいジェニの匂いを嗅いだことがあるのか?」とガーリン読者に詰め寄られたらアタシも困るわけですが、裏付けはちゃーんと取っております。
それがご紹介するジェニのフレグランス。今でこそセレブの間でポピュラーになったフレグランス・ビジネス。このトレンドセッターも実を言えば彼女でした。クロージング・ラインとは別に、ビューティー・ラインとして展開するジェニブランドのパフュームの中でも、今年でデビュー5周年を迎えた「Glow by JLo」は
トップノートに「オレンジブロッサム、ピンクグレープフルーツ、ネロリ」
ミドルノートに「ローズ、サンダルウッド、アンバー」
ラストノートに「ジャスミン、バニラ、ムスク、アイリス」を使用。
まるで「シャワーを浴びた直後」のような軽さをイメージしたというオードトワレ(註1*)は、彼女自身がこうありたいと思う「フレッシュ、セクシー、クリーン」を香りで表現しております。なんかシャワーのあとの香りなんて、いかにも大衆的、否、ガーリン的じゃあないですか(笑)。
磨りガラスのピンクのボトルといい、キラキラのチャームといい、ヴィジュアルにぴったりなナチュラルで柔らかい透明感のある香りを持つこのフレグランスは、かなりガーリン度が高めなのでおススメです。他のセレブが大したヴィジュアル戦略も持たず、適当にライセンス契約でお茶を濁している中、新しい香りを発表する度に自分の新たな引き出しを開けてみせ、香りを妄想させるようなヴィジュアルを打ち出しては女っぷりまでアゲているようにも見える。
化ける女子には、かのマドンナもおりますが、アチラは変化というより進化。速度もゆるめないので追いついて匂いも嗅げやしない(大笑い)。それに比べてジェニのいつまでもチヤホヤされた〜い、甘やかされた〜いという「モテ」意識は、良い匂いという媚薬効果を生み続け、オトコ達が喜んで尻に敷かれるという法則。己の計算高さを隠し、法則を理解した生き方を選ぶジェニのしたたかさは、女王体質でありながら大衆性をアピールするビジネスセンスに支えられた、我々も見習うべきサクセス・ガーリンだと思うのです。
*註1:オード・トワレ…香水には含まれる香料(エッセンシャルオイル)の割合(賦香率)によって4段階に分かれるが、オード・トワレは賦香率15〜20%で3時間程度の持続性があるものを指す。賦香率の高いものから、パフューム、オード・パフューム、オード・トワレ、オーデ・コロンとなっている。
Illustration by Yuki Kitazumi
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Glow by JLo
Coty Prestige Japan K.K.
30ml:¥5,355〜(税込み価格)
Available at
他に50ml、100mlサイズもあり。またシャワージェル、ボディーローションが日本発売されています。グローバルサイトのほうでは、日本未発売の新フレグランス「deseo」も紹介されています。
