ジョアンナのコットンセーター

09.22.2008

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しばらくの間、自分でも忘れていたけれど意外にアタシは惚れっぽく、しかもガーリン読者の皆様も既にお気づきのように相当思い込みの激しいオンナでございます。
 
なぜ冒頭からこんな激白を?と、どうか聞いてくださるな(笑)。実はと言えば(言うんかい)十ウン年ぶりに見直した「ル・グラン・ブルー」の中のジャック・マイヨール(ジャン・マルク・バール)に再会して、初めてスクリーンの中の眩しそうな彼の瞳に出会った時、ヒロイン役のジョアンナ・ベイカー(ロザンナ・アークウェット)同様、あっさり恋に落ちてしまったのを思い出してしまったからなのです。

この作品は、88年の公開後間もなくフランス中の若者の間にシンドローム現象を起こし、若き日のリュック・ベッソン監督と、主役のジャックのモデルでもあり、当時まだ存命だった奇跡のフリーダイバー、故ジャック・マイヨールの名を広め、世界中に熱狂的な信者を作り出した仏製カルト映画の名作。

アタクシもジャックにきっと本気で恋しちゃったのでしょう(どうぞ笑ってやって下さい)。「これは映画なんだ」と頭の中で理解はしていても、ジョアンナが焼けて焼けて仕方がなかった(笑)なんていうことまで思い返されて、再鑑賞中にもまた甘酸っぱい気持ちが甦って参りました。

どうやら調査した限りでは、撮影中の二人はプライベートでも恋仲になり(そりゃそうだろーな)別れたあとも友人関係は続き、2000年にジャン・マルクが監督した「トゥー・マッチ・フレッシュ(原題:SEX:EL)」には夫婦役で再共演もしております。前出のブランジェリーナ然り、過去の恋愛作品を見ても実際に愛し合う二人が演じた恋人役に勝るモノ無し。
 
大都会NYでの生活に疲れていたジョアンナがキャリアを投げ打ってまで追いかけた男は、タキシードの着方さえ知らぬ、生まれたばかりの赤ん坊のようにピュアな感性の持ち主。いつもどこかに大切な物を置いて来てしまったような所在無い様子は女の母性をくすぐり、独りぼっちだと言って泣きじゃくる姿を見て彼を守ってあげたいと思う。ま、要は「オトナの女がコドモの男に惚れちまった話」ってことなんですが、年齢に関係なく女には元来そういう感性が備わっているものだと思うし、男はいくつになってもコドモのままというのも「ピーターパンとウェンディー」の時代から真理だと思うのです。だからたまに見せ合うギャップが楽しいし、そこで男と女は恋に落ちてしまうと思うんだな(違うの?笑)。
 
ファンにとってのこの作品の魅力と言ったらそれこそ数限り無くあります。ダイバーであるベッソン監督自らが水中カメラでとらえた海の美しさ。映像にピタッと合ったエリック・セラの神業的な音楽。ドルフィン・スイムが流行るキッカケとなったイルカ達の可愛さ。「ちょいワル親父」の先駆けでもあるエンゾ(ジャン・レノ)の豪快さ。そしてなんといっても見逃せないのは、ジャック&ジョアンナのケミストリー。

人は誰しもピッタリ合う相手を察知する能力があるとは言うけれど、イルカ人間を演じたジャン・マルクとイルカ顔のロザンナも、イルカのテレパシー並みにピッタリと共鳴しちゃったんでしょうねぇ。二人の恋の熱気がスクリーンのコチラ側にまで伝わって来るナマな迫力は、さすがの本物ぶりです(笑)。
 
アムールの国の映画らしく、二人が恋に落ちて行くステップの捉え方も素敵でした。個人的に好きなのは、泣きじゃくるジャックをジョアンナが母のように抱きしめて慰めた翌日の水族館デート。たくさんの風船を抱え、はしゃぐ姿は、大人の二人だからこそ絵になったシーンです。
 
その時に彼女が身に着けていた青いコットンセーターは、おそらくジャックからの借りモノ。きっと彼と同じ海の香りがするであろうこのセーターは、色とりどりの風船同様、酸いも甘いも嗅ぎ分けた大人の女ジョアンナが、彼との恋でどんどんピュアになっていくのを際立たせる効果的な小道具になっております。いつもはキャリアスーツに身を固めている彼女が、クシャクシャのブロンドをポニーテールにまとめてブカブカのセーターで楽しそうに転げ回る様子は最高にセクシーで、イルカとふざけているうちに二人ともプールへドボンと落ちてしまうところなんて、アータ、観ているほうが赤面するほどカワイイのです(笑)。
 
残念ながら、この作品で使われたコットンセーターは、どこのものなのかは調査がつきませんでした。が、今回の妄想百貨店が提案したいのはブランド・ネームではございません。愛するヒトの愛用品を身に着けるというのは、恋に熟達したガーリン好みの通なオリジナル・ブランド。そのうえ、この世でそれを知っているのは二人だけというラブラブな秘密を共有できる、ワンランク上のラグジュアリー感にも溢れております。タイムリーなことに今シーズンは 80's万歳!なビックシルエットもトレンド業界ではウェルカム。とは言ってもビッグサイズだったら何でもいいってわけじゃありませんよ。やはりここは大好きなカレの体に馴染んだ一枚にこだわりたいのも乙女心。
 
てかボーイフレンドいないし~(涙)なんてPC前で不貞腐れているファッショニスタのアナタ。ここはひとつ、新しいファッション・アイテム獲得のためにも重い腰を上げて恋するセーターを見つけに出掛けてみましょう。そもそもセーターというのは20世紀以前は男達だけに許されたアイテムで、意外にレディースウェアの歴史としては浅いのです。しかも始まりはスポーツや肉体労働をする時、汗を素早く吸収するために考えられた衣料(Sweater=セーターの語源はSweat=汗)だったなんて・・・正にセーターの存在とは殿方そのもの。

否、なにもマッチョ男を礼賛しようっていうんじゃありません。ジョアンナがジャックに惚れてしまったように弱さを隠さない男はこのうえなくセクシー。そしてその逆に弱さを見せないアナタのような女もまたセクシー(笑)。だから今のままでも十分ノープロブレムではあるのですが・・・。

セクシー気分もトレンディー魂も満足させちゃう一粒で二度美味しいポーイフレンドサイズのセーターを見つけてしまったら、ゲットしない手は無いと思いません?愛するヒトの腕の中にも似た温もりに包まれること。それはまるで妄想の中の恋のように、きっと心地良い気分にしてくれるはず。そしてそんなガーリン心を幸せにするセーターが、アナタの新たな定番アイテムになるかもしれないのですから。


Illustration by Yuki Kitazumi
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コットンセーター 

SAINT JAMES 

店頭価格:HPのオンラインブティックからも購入可能... 

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実際に作中で使われてたブランドはわかりませんが「フランス」「海の男」「コットンセーター」と来たらココしか思い浮かびませんでした!今はシーズン的にコットンのものは少なそうですが・・・。

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