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マイケル・ジャクソンの白手袋
03.17.2008
最初にお断りしておきますと、アタクシはマイコーの大ファンであり、ティーンエイジャーの節より、ずっと変わらぬ視点で彼を見続けて来た「擁護派」でもございます。だからって言って何もガーリーとマイコーを結びつけることは無いんじゃないの?っと、ややツッコミ目線で読み進めて下さってるアナタ。これからそのご説明をサックリさせて頂くつもりなので、しばしお付き合い頂ければ幸いです。
自他ともに認めるマイコーファンの中には、色んな意味で共に変遷を遂げる、彼の時代別ファンが存在するに違いないと思われます。まあ「マイコーは巨匠ピカソにも匹敵するほどの人物である」とカテゴライズしてしまえば話は早いわけですが、今回は中でもおそらく一番ファンが多いであろうと思われる「白(手袋)の時代」についてガーリン的解釈を。
マイコーの白手袋が初めてその威力を発揮したのは、82年に発売され人類史上最大!のセールスを記録したアルバム「Thriller」の中から「Billie Jean」を引っ提げ、ムーンウォークの初披露で話題をさらった、83年のTVスペシャル「Motown 25」でのパフォーマンス。この強烈な印象がその後すぐに訪れる「ひとつの時代」の到来を感じさせ、さらに翌年、最多8部門受賞を果たすという快挙を成し遂げたグラミー賞によって、その「白手袋」は当時のマイコーを象徴するアイコンとして世界中に記憶されることになったのです。
それまで「白手袋」と言えば、ハイヤーの運転手さんや、高級ブランドショップの店員さんが大切な商品に手垢がつかないように装着する、いわゆる、お仕事用の要素が強いアイテムでした。が、そんな白手袋という地味な存在にマイコーはスパンコールを刺繍し、手袋をはめた片手をリズムに乗せてヒラヒラさせると、キラキラが光を放つようにアレンジ。まったくもってMTV時代に相応しい五感を刺激する視覚術と巧みなオシャレ技で観客をファンタジーワールドへと誘ってくれたわけです。
実を言うとアタシったら、そんな「白の時代」のマイコーに面会したことがあります。それはコンサートを観に行った。なんていう生半可なモンじゃ無く、ちょっとした裏技を知る友人に連れられて、「バッドツアー1987」で来日中の彼と宿泊していたホテルのパーキングで至近距離15センチの遭遇をしてしまったのよ(大笑い)。緊迫ムードの警護に周囲を取りまかれ、さすがに怖くなって泣き出してしまったアタシ。そんな様子を車中で見ていたマイコーが、なんと自ら護衛達を制し、手招きで「こっちへおいで〜」とアタシだけ(←ここ重要)を傍に呼んでくれたんでございますのよ(オホホ)。その時の気分ですか?そりゃあもう「神への謁見を許された人間」のような天にも上る夢心地ですわな。だって今となってはアレが本当の出来事だったのかどうか?思い出してみるにつけ、まるでキツネか「E.T.」にでも摘まれたような気がするのですもの。
そんな不思議な世界へのお誘い戦略は、今でも(本人の中で)続いているようですが、アタクシ、マイコーのこの人柄と発想はかなりガーリンと見た。そう、彼こそはガーリー少年の扉を開いた第一人者であり、意外なほどのキラキラ好きを考えても現代のブリンブリン(光りモノ)・ラバーなギャルの先駆けだったりするのではないか。
ご説明するまでもなく「白の時代」に光ってたのは手袋だけではなく、白ソックスを含め、衣装のすべてがスワロフスキー社も真っ青なくらいのブリンぶりだったわけですが、当時の資料を紐解くと、マイコーのキラキラ衣装へのこだわりには「浮世離れ願望」という大きな理由があったようです。
世の女子が惹かれて止まないブリンブリンにも、多かれ少なかれ非現実への渇望があるとお察しします。マリリン・モンローが映画の中で「ダイヤモンドはオンナの親友」と歌ったように、光るモノに対して抗えない気持ちというのはオンナなら誰でも少しはある。彼と婚約したら・・・結婚10周年は・・・なーんて誰も聞いちゃいないのに勝手な妄想を煽る憎い奴。そんな魔力に突き動かされ、ホンモノであろうと無かろうと(取りあえず)オンナ達はブリンを身につける。
どうやらこの白手袋もマイコーにとっては、身につけることでファンと自分の間に「違う次元を満たす神秘的な繋がり」を感じることが出来る「マジック(魔法)」であり、「現実逃避」のツールだったらしいのです。本人が編み出したキラキラ逃避術が高じた結果として、この白手袋にこそ、女子の光りモノへのロマンと同じ彼の繊細で乙女チックなハートが込められていた!という事実が隠されていたというわけ。
たしかあの日も後光が射すくらいの派手な装いだったマイコー。あの一瞬、二人の間には目に見えないファンタスティックでスイートダイヤモンドな繋がりがあった・・・妄想ではなく。いや絶対にそうだった(と、言い張る)。そんな非現実的なキラキラパワーに誘われ、こわごわ近寄るアタシに差し出してくれた両手の片側に「燦然と輝く白手袋」には、薄らと汚れがあったことですら今となってはステキな思い出(笑)。
なぜあんな場所で絶頂期のマイコーと市井の少女だったアタシが巡り会うことが出来たのか。そして今、この話を皆様の元へとお届けしている運命の摩訶不思議。もしやこうなることは「ガーリーはガーリーを呼ぶの法則」に基づき、特別なチカラを持つ白手袋に導かれ、最初から決まっていたのかもしれません。そんな宇宙の片隅に住むあの人もこの人もけっこうガーリンで繋がっていると伺い知れたことは、我ら「ガーリンの幸福」とも言えましょう。
Illustration by Yuki Kitazumi
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